「年齢も個性のひとつ」平野さん 長崎で初の表彰式

第44回九州芸術祭文学賞(九州文化協会・九州沖縄の各県・政令市主催、福岡文化連盟、西日本新聞社など共催)の表彰式は3月15日、長崎市の長崎原爆資料館ホールで開かれた。長崎県での開催は初めて。多田昭重九文協会長から表彰状と賞金30万円、副賞の青木秀賞(20万円)が最優秀賞の平野宏さん(長崎県)に手渡された。

記念写真受賞者を囲んで記念撮影

受賞作は平野さんが初めて書き上げた小説。69歳という高齢での受賞だが、挨拶に立った平野さんは「年齢も個性のひとつ。そこに強みもあるだろう。思い残してきたことを書き続けていきたい。たどり着いたところに何が開けているのか、ワクワクしている」と抱負を語った。

表彰式
多田昭重九文協会長から賞状を受け取る最優秀賞の平野宏さん(左)

式の後、芥川賞作家で同資料館館長の青来有一さんと、人気作家の角田光子さんが「小説の底力」の演題で記念対談。ともに1990年代に作家デビューした二人は、小説との出会いや苦労、互いの作品世界、これからの作品展望などについて2時間にわたり語り合った。

会場には平野さんのほか地区優秀賞・次席に選ばれた受賞者、中央選考委員の村田喜代子さん、田中光子さん(『文學界』編集長)、又吉栄喜さんをはじめ各地区選考委員、九文協役員、長崎県関係者と文学ファンら約300人が出席。記念対談に続いて懇親会が開かれ、受賞者を囲んで約60人が和やかに歓談した。